思いやるということ

その人の行動に対してwhyを五回ほど繰り返す。
過程のwhyを何かで確認できる場合もあるのでとりあえず全てのwhyを抽出しておく。
幾度となくこれを繰り返していくと、なんとなくその人の行動原理みたいなものが浮かんでくる。
内面を推測する。イルカのエコーロケーションがイメージに近い。

人間を見るときに、いつも「輪郭」みたいなものを睨んでいるような気がする。その人が、どんなかたちをしているのか、ということなのだけれど、俺は特にこの概念を人に説明する必要がなかったので、うまいこと言葉で説明できるかどうかわからない。俺にとって「輪郭」といったら、それは一意的に決まっているものだからだ。

自分にとってその人の輪郭は、その人の行動や言動、目の配り方や服装に手振り身振り。内部から出てくる反響音のようなものだ。
輪郭が崩れている人と一緒に居たりするとこちらもその歪みに影響を受けたりもする。
その輪郭から長時間掛けて抽出した行動原理群を元に常に照らし合わせを行っていく。
段々、その人がどう考えてどう動くのかわかってくる。どこが足りないのか。それを手伝えるのか。とか。
それが人を思いやるということだと思っている。