蝉の女王

蝉の女王 (ハヤカワ文庫SF)

寒冷や酷暑、真空、低重力、容赦なくふりそそぐ宇宙線…。苛酷きわまりない大宇宙に生きるため、人類はおのれの肉体そのものを改造しはじめた。ある者は遺伝子工学を駆使して肉体そのものを改変し、ある者は肉体とハイテクの融合に未来を見出した。やがてそれが〈工作者〉〈機械主義者〉という二大勢力となり、他の党派をもまきこむ抗争をくりひろげるが、遥かに進歩した異星人〈投資者〉も、太陽系への進出を画策していた…。サイバーパンク派の旗手の未来史SFを日本で独自に結集した、ファン待望の傑作短篇集登場。

ブルース・スターリング
もう「巣」からいきなり面白かった。
ただそのインパクトが強すぎて(設定や世界観含む)、後半へ行くほど失速していく感じがした。「巣」が傑作過ぎる。
「スパイダー・ローズ」も好き。メカニスト側の内情がわかるし、なによりペットのほわほわが可愛い。
「蝉の女王」。objectOさんに言われてCicada Queenの意味に気付くと言う鈍感ぶりを発揮。
「火星の神の庭」。神になった時代のお話。描写は綺麗だった。なぜかばいばい、アースの主人公とこの話の主人公が重なった。
「<機械主義者/工作者>の時代-二十の情景」。1人の男の一生を切り取って描く実験作。